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連載小説「六連星(むつらぼし)」第81話~85話

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連載小説「六連星(むつらぼし)」第82話 
「書きかけのノートと、ボイスレコーダー」

 「まもなくお母さんが、君のために駆けつけてくる。
 あとのことは俺と岡本に任せて、君はロビーでお母さんの到着を待つがいい。
 山本さんももう、きっと満足しているだろう。
 いいから、もう行け。
 ロビーで、湯西川から来るお母さんを出迎えてくれ」

 俊彦に促され、響が山本の病室を後にする。
廊下で杉原と岡本がまだ、額を寄せ合ったまま、ひそひそと会話を続けている。
響に気が付いた岡本が、小さく手で招く。
「大丈夫か?」岡本の目が、静かに響の瞳を覗き込む。
背後を着いてきた岡本が、エレベーターの下りのボタンをそっと押す。

 「山本を送り出すためのセレモニーは、もう少し続くようだ。
 たぶん、明日の朝までが山だろう。
 お前さんは初めてのことだろうが、最後までよろしく頼む。
 清子も、俺たちに駆けつけて来てくれる。
 お前さんを心配してのことだと思うが、俺たちは清子の気持ちが嬉しい。
 つくづくいい女だと思うよ、清子という女は。
 もちろんお前さんも、清子に負けないほどのいい女さ」