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連載小説「六連星(むつらぼし)」 第76話~80話

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連載小説「六連星(むつらぼし)」第78話
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 山本が入院している3階の病室からは、低い屋並みが続く桐生市の
1丁目から2丁目あたりの風景が良く見える。
病院は、丘陵地の中腹に建っている。
ここからは、市内の東側一帯が良く見える。
見える景観は、桐生市でもっとも古い家並みのひとつと言われている。

 南北朝時代から戦国時代末期にかけて、上野国(こうずけのくに・群馬県)の
桐生地方に興った武士・桐生一族によって、桐生の市街造りが始まった。
中央との結びつきにはさらに古いものがある。
京の都から、加茂神社や美和神社といった社が数多く誘致されている。
市内の北部に建てられた『桐生天満宮』を町の基点として、碁盤の目をもつ
今日の市街地の形が完成した。

 桐生は、第二次世界大戦における戦災を一切受けていない。
隣接している大田市には、発動機(航空機のエンジン)生産で知られる
中島飛行機がある。
そのために、昭和20年2月10日の空襲をかわきりに数度にわたる
空襲を受け、町は壊滅的な被害を受けた。