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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「妖刀正宗の復讐」 第一話

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「おい、行くぞ!何をしておる」

賊の頭領が叫んだ。

「へい!今すぐに」

この事件を調べた町奉行所の与力は妻が手にしていた小刀を見て驚いた。
それは天下の妖刀と呼ばれる名刀「正宗」だったからだ。

「これは素晴らしい宝物だ。戴くとしよう」

証拠物件として差し出すのではなく、妻は賊に首を斬られて絶命したと届け出た。
与力は持ち帰って一人で小刀を眺めていた。怪しく光る刃面に自分の顔が映る。
揺れるろうそくの光がスーッと消え、部屋は真っ暗になった。

「どうしたんだ?こんな時に消えるとは」

つぶやきながら火打石をこすってろうそくに灯をともす。
薄明かりが再び妖刀を照らし出した。
そして手に持って眺めた。先ほどのように顔を近づけたが自分の顔が映らない。

「どうした?くすんだのか・・・」

与力は裏返して同じように眺めた。
同じく自分の顔は映っていなかった。そしてまたろうそくの火は消えた。

「ちっ!どういうことだ。何度も消えるだなんて」