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てっしゅう
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「妖刀正宗の復讐」 第一話

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時は江戸時代初期の頃、関ヶ原の決戦にて勝利した徳川家康は江戸に幕府を開いたが、地方から大挙して押し寄せる武士や町人や農民などの統制が十分とれていなかった。
悲劇はある寒い冬の夜に起こった。

廻船問屋の近江屋に押し込み強盗が入った。賊はそこに居た主と家族を次々と殺し、奥の間に逃げた主の妻を追い詰めていた。

「観念しろ!恨みはないが死んでもらう」

妻は手にあるものを携えて封を解き柄に右手をかけて対峙していた。

「お前のような不埒者に斬られるならこの魂末代まで呪って命を絶とうぞ」

そう叫んで、相手を睨みつけ、鞘から小刀を抜いて首筋にあて左手を添えて強く切り裂いた。
おびただしく流れる血を小刀の刃が吸ってゆく・・・

「くそっ!自刃しやがった。いい女だったものを・・・」

賊の一人は妻を犯してから殺そうと狙っていたのだ。
既にこと切れていたが、帯を切り裂き裸にしてその身体を眺めながら、男は深いため息をついた。