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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「妖刀正宗の復讐」 第一話

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膝元に妖刀を置くと、燭台に近づいて火打石をこする。
「カチッ、カチッ」
何度擦っても火はつかない。いらいらしているとどこからともなく吹き抜ける風を感じた。

「すきま風のせいか・・・」

与力は立って障子を閉めなおし振り返って燭台のほうを振り向いた。
なんとろうそくが灯っていた。
そして妖刀を手にした女がそこに立っていたのだ!

「だ、だ、誰だ!お前は」

声もとぎれとぎれになる恐怖心に与力は震えていた。

「おぬしは盗賊の一味か?」

「盗賊?おれは与力だ。お前は誰だ?」

「近江屋の妻、みよだ」

「近江屋の妻・・・殺されたのでないか?何故ここに居る」

「無念のあまりおぬしが盗んだ正宗に魂を封じ込めたのだ」

「盗んだ?人聞きの悪いことを言うな。預かっているのだ」

「嘘を言うな。お前の心は邪悪だ・・・この正宗は血を欲しがっておる。お前の血をだ」

「バカを言うな!」

与力はその場を立ち去ろうとしたが、体に力が入らなくなっていた。