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てっしゅう
てっしゅう
novelistID. 29231
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「もう一つの戦争」 舞い降りた天使 6.

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「あっ、はい。この次に会う時は頼みがあるから聞いて欲しい。悪い話ではないから楽しみにしていなさい。一月ほど後になるだろう。女将さんは母親と思って何でも相談するように。とありました」

「そう、何の頼みかしらね。私は母親っていう歳じゃないんだけど、まあいいわ。旦那様は食事の前に入浴されるから、あなたお背中を流してあげて。これはいつも私がしているんだけど、若いあなたの方がきっといいわよ。お願いね」

「背中を流すって・・・一緒にお風呂に入れと言うことですか?」

「何言ってるの。着物の裾をまくって入ればいいの。背中を流すだけだから、間違えないでよ」

「そんなあ~ひどい。今すぐですか?」

「そうね、すぐでもいいと思うけど」

裕美子はこの時代の女性はみんなそんなことをしているのだろうかと考えていた。
子供の頃何度か父親の背中は擦ってあげたことがあるけど、それは親子だからしたのであって、他人にそういうことをするなどとは思ってもみなかった。
重い気分を引きずりながら、浴槽の扉の前で声をかけた。

「裕美子です。お背中流しに来ました。入ってもよろしいでしょうか?」

「女将じゃないのか、悪いな。きっと言いつけられたのだな。仕方のないやつだ。今出るから入ってくれ」

「はい」