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司令官は名古屋嬢 第6話 『一部』

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【時間軸】…異次元暦42731年 真夏 未明
【場所】…758号世界 大阪市内某所
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 八事たち、対ライフライフ部隊のアルファ分隊を乗せた小型ボートは、猛スピードで川下りを始めた。
「おい逃げるなや!!!」
「待たんかコラ!!!」
関西弁の罵倒が、河川敷から続々と届けられる……。声の主は、地元の民兵たちだ。彼らは武器を持ち、八事たちを逃がすまいと、河川敷を疾走している。多くが金属バットなどの物理的な武器だが、拳銃などの飛び道具を所持している者もいる。
「見送りなんて結構よ」
八事はそう呟くと、狙撃銃で民兵たちを攻撃していく。一人、また一人と、河川敷で眠り始めた……。彼女の狙撃の腕前が相当のものであるとわかる。

 河川敷の堤防上の道路を、1台の中型トラックが並走し始めた。オープン式の荷台には、10人ぐらいの民兵が乗っている。彼らは、荷台から次々に銃撃を加えてきた。走るトラックからの射撃なので、ほとんどの銃弾は無関係の方向へ飛んでいく。
「ガハッ!」
それでも危険な存在であることには違いないため、八事は対処した。彼女に首を撃たれた運転手は、上半身を前のめりに崩す。
「うわっ!!! ヤバいヤバい!!」
運転手を失ったトラックは、道路から河川敷へ滑落していく……。荷台から投げ出される民兵たちは、まるで小さなおもちゃのようであった……。河川敷に落ちたトラックは、爆発炎上し、周囲の民兵たちを炎で包み込む。

「前方の橋に敵が集まってる!」
ボートを操縦している兵士が叫ぶ。
 川に架かる道路橋から、八事たちに攻撃を加えようと、民兵を満載したトラックが、橋の左右から1台ずつ渡ってきていた。
「アタシは左で、アンタたちは右ね!」
八事はそう命令すると、左側から走ってくるトラックの運転手を仕留めようとする。
 ところが、やや斜め下の角度からの狙撃なので、うまく命中させられない……。それは、右側のトラックを任された分隊員たちも同様だった。

 そこで彼女は、狙いを別に移すことにした。
「衝撃に注意して!」
そう叫んだ彼女の次の狙いは、橋に設置されているガス管であった……。しかし、これからその橋をくぐる自分たちも危険だ。
「マジですか!?」
工兵は察しが早い男らしい。