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司令官は名古屋嬢 第6話 『一部』

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 ……道路橋を走るガス管が大爆発を起こした。八事の銃弾が、管の中にある都市ガスを引火させたのだ……。橋全体が一気に燃え上がる。夜闇に浮かぶそれは、本当に綺麗だった。

 橋の上は、炎の道と化している……。走行中の2台のトラックも燃え始めた。そして、運転手も後に続く……。
 2台は、見事に正面衝突した。荷台の民兵たちは、衝突の勢いで宙を舞う。そして、炎の中にダイブしていった……。
「熱い熱い!!!」
「助けてくれ!!! 水を!!!」
現在進行形で火傷をこしらえながら、のたうち回る民兵たち。彼らの動きはまるで、フライパンの上でチリチリと踊るコゲカスのようだ……。
 おそらく、灼熱地獄では、こんな感じの光景が繰り広げられているのだろう……。

 幸い、八事たちは業火に巻き込まれずに済んだ。燃える橋の下をくぐる際に、高熱で汗を少しかいたぐらいである。
「ちょっと過激じゃないですか?」
「他に方法あった?」
八事と工兵は、橋のほうを振り返りながら言った。そのときの2人は、花火を鑑賞しているかのような表情を見せていた……。



   【第6話 終わり】
      つづく