私のオカルト考
心霊写真批判が長くなってしまったが、私が言いたいのは、幽霊にしてもUFOにしても、この世の中ではっきりと存在が証明できないものの実在を主張する人は、それによって何らかの利益を得る人ばかりだ、と言うことだ。そのようなものの実在を誰よりも信じていないのは、それを声高に主張する人たちだろう。
思考を放棄して自分の頭で考える習慣を持たない人や、占い師とかの赤の他人に自分の人生を委ねて平気な人ならともかく、まともな思考能力を持った人なら、おかしいと感じるはずだ。
占い師で思い出したことがある。
以前によくメディアで見かけた、スピリチュアルカウンセラーとか名乗っていたぽっちゃり系の霊能力者。ゲストの守護霊とやらを透視して、さまざまなことを言い当てたりしていた。
ある日、とある女優がゲストとして番組に呼ばれていた。その女優は割と複雑な家庭環境で育っていて、10代の頃に両親が離婚し、自分は母親に引き取られた。その後、母親が再婚したが、その母の再婚相手、つまり自分の継父は数年後に病死した。つまりこの女優には実父と継父がいて、実父は健在だが継父は亡くなっている、という家族状況だった。
このゲストに対して、霊能力者が透視した守護霊は、『父』だった。そして、ゲストと『父』にまつわるエピソードを透視して見せた。女優は感動したふりをしていたが、そのエピソードは継父ではなく、実父とのエピソードだった。つまり、この霊能力者は、まだ生きている実父の霊を透視してしまったのだ。
この女優の大人の対応には感心した。もし私が同じ立場だったら、突っ込みまくっていただろう。
完全に霊能力者のリサーチ不足で、この後、この霊能力者がメディアからフェードアウトして行ったのは、これが原因だったのかどうかは知らない。
作品名:私のオカルト考 作家名:sirius2014