The SevenDays-War(黒)
「ユーノだ」
「よろしくね」
「そしてウマ」
「スナッテ」
ルドラは、ユノフィアとウマという二人の女性を連れ、エルセント北門に戻っていた。それはルドラが北門を出た二日後のことだ。
宿場町からの脱出は、深夜のうちに行われた。
ややこしいことはしていない。ウマが再び眠るのを待って、黒天馬に乗って宿場を囲む柵を飛び越えただけのことだ。
「ルドラ……」
アーノルドは呆れ顔だった。
「なんだ?」
「女連れで戻ってきたのはいいとしよう。一人じゃなく二人だったことも、まぁまぁ、いいとしよう」
アーノルドは一つ咳払いをして間を調節する。
「その格好はどうにかできなかったのか?」
ユノフィアとウマの二人が身に着けている服装は、布地が極端に少なく、肌の露出が激しいものだ。健全な青年であるアーノルドには刺激が強すぎたらしい。
「いや〜んスケベ」
ユノフィアは身体をくねらせて恥らってみせる。もちろん、恥らっている振りをしているだけだ。
「二人をしばらく預かって欲しい」
ルドラは一連の流れをすべて無視し、アーノルドに告げる。
「ワケアリなのか?」
「話せば長くなる」
「……わかったよ」
アーノルドは、二人にサンクと何らかの関わりがあることを察し、詳しく聞くことを控えた。彼なりに気を使ってのことだ。
「くれぐれも見つからぬようにしてくれ」
「やってみる」
そんな無茶な、と思いつつも、アーノルドは拒否しない。
「このお兄さんがアタシたちを守ってくれるのはわかったけどさ」
間に割って入ったユノフィアは、今後について聞きたがった。
「他にも連れ出されたポポマがいるのだろう?」
「そりゃ、たぶん」
「ならば、探し出す」
ルドラはそう断言すると、ポポマについて説明を求めるアーノルドを無視して、街へと姿を消した。
「あっと、ユーノさんだっけ? ポポマってのが何なのか、教えてもらえる?」
千年前の世界の統治者『創造神』が作り出した種族。それをポポマと呼ぶ。ポポマは“魔大戦の敗北者”でもある。
現在の世界を統治する神が、強靭な肉体を持つポポマに対抗するため、魔大戦中に作り出した種族が、南方人と呼ばれるヤーン人や、エルセント人などだ。
これらの種族は、神の尖兵として魔大戦を戦った兵士ではあったが、いづれも兵器ではない。
生命活動を営み、社会を形成する人間だ。
「よろしくね」
「そしてウマ」
「スナッテ」
ルドラは、ユノフィアとウマという二人の女性を連れ、エルセント北門に戻っていた。それはルドラが北門を出た二日後のことだ。
宿場町からの脱出は、深夜のうちに行われた。
ややこしいことはしていない。ウマが再び眠るのを待って、黒天馬に乗って宿場を囲む柵を飛び越えただけのことだ。
「ルドラ……」
アーノルドは呆れ顔だった。
「なんだ?」
「女連れで戻ってきたのはいいとしよう。一人じゃなく二人だったことも、まぁまぁ、いいとしよう」
アーノルドは一つ咳払いをして間を調節する。
「その格好はどうにかできなかったのか?」
ユノフィアとウマの二人が身に着けている服装は、布地が極端に少なく、肌の露出が激しいものだ。健全な青年であるアーノルドには刺激が強すぎたらしい。
「いや〜んスケベ」
ユノフィアは身体をくねらせて恥らってみせる。もちろん、恥らっている振りをしているだけだ。
「二人をしばらく預かって欲しい」
ルドラは一連の流れをすべて無視し、アーノルドに告げる。
「ワケアリなのか?」
「話せば長くなる」
「……わかったよ」
アーノルドは、二人にサンクと何らかの関わりがあることを察し、詳しく聞くことを控えた。彼なりに気を使ってのことだ。
「くれぐれも見つからぬようにしてくれ」
「やってみる」
そんな無茶な、と思いつつも、アーノルドは拒否しない。
「このお兄さんがアタシたちを守ってくれるのはわかったけどさ」
間に割って入ったユノフィアは、今後について聞きたがった。
「他にも連れ出されたポポマがいるのだろう?」
「そりゃ、たぶん」
「ならば、探し出す」
ルドラはそう断言すると、ポポマについて説明を求めるアーノルドを無視して、街へと姿を消した。
「あっと、ユーノさんだっけ? ポポマってのが何なのか、教えてもらえる?」
千年前の世界の統治者『創造神』が作り出した種族。それをポポマと呼ぶ。ポポマは“魔大戦の敗北者”でもある。
現在の世界を統治する神が、強靭な肉体を持つポポマに対抗するため、魔大戦中に作り出した種族が、南方人と呼ばれるヤーン人や、エルセント人などだ。
これらの種族は、神の尖兵として魔大戦を戦った兵士ではあったが、いづれも兵器ではない。
生命活動を営み、社会を形成する人間だ。
作品名:The SevenDays-War(黒) 作家名:村崎右近