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The SevenDays-War(黒)

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「よーし、次だ」
 ルドラにとっては、充分な収穫があった。
 焼ゴテの印がどのような意味を持つものかを調べることで、人間が扉を開けようとしている方法の解明は可能となった。
 人間たちは、見事に魔界から呼び出してみせた。牢獄の扉を意図して開いてみせた。
 ルドラはこの方法が間違っているとは思えなかった。その証拠に、自然発生した隙間を抜けてきた“脱走者”よりも、幾らかではあるが、形が整っている。

 人間は、扉をこじ開けるエネルギーとして“死のエネルギー”を利用した。それは人間が扱うことができる最も強力なものなのだが、先ほどの失敗という結果が、それでもまだ足りないことを示している。
 反対に言えば、足りないものは扉を無理矢理こじ開ける出力だけなのだ。
 ルドラに必要なのは、少女の情報だ。
 どこの何者なのか。なぜ魔界の波動を発しているのか。一番大事なのは、意図的に作り出せるのかどうかということだ。もし自然発生したものであれば、数には限りがある可能性がある。だとすれば、ここで貴重な一回を浪費させるわけにはいかない。

 ルドラは残る一人の少女を見やった。
 すると、そこで信じがたい状況に直面する。

 少女と目が合ったのだ。
 ルドラは姿と気配を消している。強力な魔法による探知を行わなければ、その存在を気取られることはない。少なくともこの千年の間には、人間と目が合った経験などなかった。
 そんなはずはない、と否定してみたところで、少女の視線は外れはしない。

 助けを請うのでもなく、何者かと問うのでもなく。
 殺してと請うのでもなく、何をしているのと問うのでもなく。

 ルドラはその瞳に捕らえられてしまった。
作品名:The SevenDays-War(黒) 作家名:村崎右近