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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「もう一つの戦争」 舞い降りた天使 3.

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裕美子は山本の運命と日本の運命を大雑把に語ることは出来る。今ここでそれを話してもいいのか、ふと疑問が頭によぎった。それは歴史を変えることになりかねないからだ。日本が戦争に向かってゆかなかったら、日本が戦争に勝ってしまったら、その変化が自分の運命も変えるとしたら、この世に生まれてこなかったかも知れないと考えると不安になった。

「もしお前が未来から来たというなら、この先どんなことが起こるのか知っているだろう。それを話してくれれば、信用するとしよう」

「私は未来では父が国会議員だったということで大切なことに関してはみだりに喋ってはいけないと教えられています。
そのことが原因なのかこの歳まで恋愛もままならず独身でいるんです。議員の娘と言うだけで相手が構えてしまうので自由にものが言えなくなってダメになってゆくんです。
言い出して答えないと言うのは失礼だと思いますがお許しください」

「しっかりとしていることは感心じゃ。しかし、そこまで言われて何も聞かないということは俺としても気持ちがもやもやする。どうしても聞きたいことがあればそのことにだけは知っていれば答えてくれるか?それなら、お前を面倒見てやろう。ここの女将に話してここで世話になると良い。どうだこの交換条件は?」

裕美子には生活を見てもらえるという条件は願ってもないことだ。どうしようか迷っていたところだから、もう今はこの人にすがるしかないと思えた。