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ゴキブリ勇者・クラウン商会編

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それから、俺は部下達と会うときは笑顔を絶やさないようになり、言葉付きも自然と柔らかくなった。
少しでも先代に近づけているだろうか。
部屋は相変わらず甘い香りが漂っている。
雑誌記者と名乗って飛び回っていた頃と今とでは、時間の流れ方も違うようだ。

俺は部屋の中の水辺に腰かけて、水の流れをぼんやりと見た。
この水音さえいとおしい。
こんなに穏やかな気持ちになったことはなかったので、俺はずっと微笑んでいた。

誰に何を聞かれても、ただ微笑んでいた。

クラウン商会が攻撃されても、俺は幸せな時間の中にいたので、少しも苦痛ではなかった。
全ての人に愛と幸福を届けたい。
そう思うと、自然と誰にでも優しくできた。

今日も敵意を燃やす彼らに笑顔を振り撒いていた時、俺は刺された。