偽電車男 第二部(完結編)「長いトンネルを抜けて」
13.虚しい
ビアガーデンの一件があってから、何かプライベートでのやる気が少しずつ失われていった。
もう先に進もうとしているのに、あいつらと会ったからだろうか。
マリちゃんと会ったから?
マリちゃんが結局シンイチさんを選んでいた事実が、俺の予想通り過ぎたのか?
虚しさを埋めることができず、「やよい」ちゃんとは自然消滅してしまった。
俺、「やよい」ちゃんにメールで超謝り倒したよ。
俺から声かけてメアドもらったのにね。
俺から「もうメール止めるね。ごめん、短い間だったけどメールできて良かったよ。」とメールを打ち、彼女も「いえ、気にしないでください」と返した。
それから謝り倒した。
彼女とはそれっきり。
第二次偽電車男化計画の意味をもう一度考え始めた。
何がやりたいんだろう。
その後、一回ウチの会社の勉強会に参加した。
あの客先の顔ぶれが少しいた。
俺は直前ギリギリまで参加するか迷ったが、参加することにした。
不参加続けてても、主催者に申し訳ないしね。
で、あの客先の奴らは参加を断れずに・・・ ってとこかな。
マリちゃんは来なかった。シンイチさんも。
で、あの客先の奴らがまた陰口叩いてたけど、逆にすごい笑えた。
余裕のポーカーフェイスで対応したよ。
マリちゃんと仲良かったウチの会社の女性社員と、あの客先に俺の後釜で入った女の子が
「彼に話さなくてもいいかなぁ・・」
「言わなくていいですよ。あんなやつ・・・」
と、やりとりしてたけど、俺はそんなの知ったこっちゃない。
普通に勉強会で普通に課題を終わらせて帰った。
それからまた今の客先で仕事の日々。
なんか、今の客先の期間終了の日が迫ってくると逆に仕事での集中力が上がった。
後を引き継ぐ人たちのことを考えて色々細かいTips集とかドキュメントを合間に作るようにした。
それはちょっと客先で喜ばれたかな・・
そしてこのとき、マリちゃんはシンイチさんと結婚するんだろうな。
と、そう思った。
俺が何かしてやれることなど無いし、彼女もそんなことは望むはずがない。
虚しさを抱えたまま、今の客先の終了の日を迎えた。
なんか送別会みたいなのをこじんまりとしてもらったが、
俺がトイレに立つと悪口大会。
しったこっちゃないや。
出張のときは失敗したが、今回はノーミスだからな。
客先業務終了してから、次の客先が決まるまでウチの会社の支社の空きスペースで
資格取得のための勉強をさせてもらった。
もうこの会社に残ろうとはあんまり思ってなかったけど。
そしたら、俺にとってギャグとしか思えない展開が起きたんだ。
作品名:偽電車男 第二部(完結編)「長いトンネルを抜けて」 作家名:ぎーくおぶじえんど