偽電車男 第二部(完結編)「長いトンネルを抜けて」
14.これは、何てギャグですかw
俺にとってギャグとしか思えない展開。
俺が支社に出勤して、資格取得のために空きスペースで勉強していたときのことだった。
支社長がこういった。
「なぁ、お前が最初にいった客先のところで、一人IT関係の人が派遣で欲しいって言われてるんだ。」
「そうなんすね。」
「お前いける?あのときと働く部署と業務内容が違うけど。」
なんてギャグな展開なんだ。
支社長は、あいつらからやはり何も聞いてない。
マジ受ける。
俺がこの前の飲み会出たことで、心配ないと判断したのだろう。
あの会話も聞かれてない。
そこで満面の笑みを浮かべながら、
「あぁ、いいっすよ。」
「よし、じゃあ話してみるからさ。エイイチロウに連絡しよう。」
それがその日の午前中の話。
しかし昼ごろ、営業さんと支社長がエイイチロウさんに電話してあのときの真相を少しでも知ったのか、声を荒げていた。
「はぁ!?あいつ、相当悩みよったぞ!そんなもん、いまさら謝って済む問題じゃないだろ!」
「俺たちが、そっちいくから詳しく聞かせてくれ。」
(はぁ・・・ やっとあのときのことをおそらく、自分たちの都合のいい部分だけ暴露しやがったな。エイイチロウども・・・)
まぁ、最初の客先で働く気はさらさら無かったから、もうね、心の中で笑いが止まらなかった。
で、まぁあいつらの都合いい部分だけが明らかになった。
「なんだ、あいつが香水使ってりゃ、全部問題解決したんじゃないか」
とか戻ってきていってたが、氷山の一角だってこともしらねーんだな。
支社長も営業さんも、本当にやれやれだぜ・・・
あいつらの言葉しか信じてなかったんだな。
ミズキさんも嫌がらせ受けてたし、俺はストーキング行為と睡眠妨害とかすごいプライベートでもいじめを受けていたのにねぇ。
で、そろそろこの会社にいるのも本当にしょうもないと思ったので辞める決意をした。
ITの資格試験の日が迫っていた。
結局、俺が最初の客先で働く話はお客さんから他の人が入ったってことでNGとなった。
あたりめーじゃん。
あのとき理性が飛んでたら本気で正当防衛で何人病院送りにしてたかわからねぇんだからさ。
あの後マリちゃんがキョウスケとつきあってようと、俺の知ったことじゃない。
結局あのビアガーデンのときに、マリちゃんは俺に話しかけなかったし、俺からも一切話しかけなかった。
いじめに加担したうちの会社の連中には、ミズキさんの件を一喝しといたし。
もういる理由もないわ。
そして資格試験の日が来たが、特に話すことはない。
二つ目の客先で「資格も持ってないやつが、俺たちと仕事するんじゃねぇよ!」とか言われてたので、超やる気出して十分勉強してから望んだ。
過去問の方が圧倒的に難しいじゃんって感じで楽勝で突破したけどね。
午前の問題は8割、午後の問題はほぼパーフェクト(1問だけミス)だった。
で、楽勝で資格ゲット。
で、資格試験が終わってちょっとしてからくらいで、退職するということを支社長と営業さんに話した。
二人とも、問題児がいなくなるみたいで喜んでたね。
「お前なら実力があるし、引く手あまただろう。がんばれよ。」
ってね。
で、マリちゃんが結婚して辞めるって話もきいた。
マリちゃんが、無いだろうが俺のことで何か心配してても良くないと思っていた。
あのマリちゃんと仲が良い社員たちが何か言おうとしたのもちょっと気にかかっていた。
退職手続きを支社で済ませた後、二つ目の客先での住まいを整理し、引越し業者に荷物を渡した。
ガス・電気・水道を精算 し、そして二つ目の雪国から、実家へ向けて愛車を走らせた。
マリちゃんには、あのことは言うこともないかと思ったが、マリちゃんが自分で選んだ相手と幸せになれるように、最後にアレを教えておこうとそう思った。
ここで、語り始めた時点の2時間前に戻る。
作品名:偽電車男 第二部(完結編)「長いトンネルを抜けて」 作家名:ぎーくおぶじえんど