偽電車男 第二部(完結編)「長いトンネルを抜けて」
11.さらなるビルドアップ ハリ!ツヤ!コシ!
「やよい」ちゃんとメールを開始しだした。
「やよい」ちゃんのよく聞く音楽は洋楽ロック。
正直、なんでメアドくれたの?ってメールしようと思ったが、しなかった。
このとき、第二次偽電車男化計画を開始してけっこう経ち、腹筋が少しずつ割れだしていた。
だが、「やよい」ちゃんとメールしだしたら、俺の方が年上なのでもっと若く見せるべくさらなるビルドアップをしようとした。
毎日のウォーキングに、ランニング、室内ワーク、拳立て伏せなどのメニューはそのまま持ち越し。
市販のスポーツドリンクの粉を2倍に薄めて容器に入れ、運動中に飲んでいたが、何かものたりない。
そこで、2倍に薄めたスポーツドリンクに、はちみつと黒酢とスパイスをまぜ
「強化スポーツドリンクG」とした。
意外と飲めた。
自炊も、ミネストローネ風大豆のスープ、キーマカレー、さばの味噌煮、カプレーゼ、ペペロンチーノ、などなど。
朝食はブルーベリージャム増し増しのトースト、ヨーグルトにコーヒー。
運動中に「やよい」ちゃんとメールやりとりできるように、携帯を持ち出した。
いい感じだ。
そんな折、うちの会社の営業さんが連絡をしてきた。
「今度、うちの社員とその家族を呼んで、8月にビアガーデンで飲むけど、来る?」
「はい、行きます。元気なところを前の客先のうちの社員連中にも見せておきたいし。」
「そうか、前の客先連中も心配してたぞ。元気な姿見せてやれよ。」
「前の客先のうちの社員連中も元気にしてますか?」
「おう、もうミズキも別のとこ異動したし、キョウスケも異動したけどな。」
「あぁ、そうなんすね。」
正直、またあの面子と顔合わせるのがすごい嫌だったが、ちょうどいいや。
過去と決別しなきゃ。
キョウスケの野郎がいないのはムカつくが。
ちゃんとミズキさんの件も一喝しとかねーとな。
そうだ、「やよい」ちゃんも呼ぶかな。
「やよい」ちゃんにメールを打った。
まぁこれが「やよい」ちゃんとの初めての飯になるんでもかまわんし。
マリちゃんも来るなら、ちゃんと対峙して過去と決別しないと。
俺は、あの後も新しい客先でちゃんとやれてるってね。
作品名:偽電車男 第二部(完結編)「長いトンネルを抜けて」 作家名:ぎーくおぶじえんど