偽電車男 第二部(完結編)「長いトンネルを抜けて」
10.飲み屋で会った、君の名は
出張が終わって、自分のいいペースで仕事ができだした。
そして、ある土曜日の夜、一人で市内の居酒屋に電車で飲みにいった。
ストレス解消に酒はある程度は必要さ。
給料削られたが、何とか飲み代くらいは捻出できる。
自炊がんばって節約してるし。
焼き鳥串とビールから開始して、少したった。
次に刺身を注文して、それとハイボール飲んだらもう帰ろうと思い、女性店員を呼びつけた。
このとき、多分、ストレス解消のためだったと思う。
本当にただそれだけ。
名前は「やよい」というその女性店員に、注文を伝えた後、箸の入っていた紙にボールペンで自分のメールアドレスを書き、「あの、これもしよかったらメールしてください。」と言って、渡した。
そういや、前の客先のときもこんなことやってたなぁ。
これは特に、メールやりとりとか期待してない。
もらえたらラッキーくらいさ。
そして、その「やよい」ちゃんが料理を運び終えた後、近づいてきた。
紙を持っているッツ!
なんだ、注文書か・・・ と思ったら、こっそりそれとは別にメモを俺に渡してくれた。
うん、なんか後ろめたかったけど、その紙を広げたら携帯のメールアドレスがっ!
人生で通算何回目のメアドゲットだろうか。
ちょっとガッツポーズしたら、「やよい」ちゃんが照れ笑いしてた。
刺身とハイボールを食らい尽くした後、
「やよい」ちゃんに、「じゃぁ、メールするね」と言って挨拶して、会計を済ませて上機嫌で帰った。
このとき、もう7月の終わりらへんだった。
さっそく軽いメールを打つ。
だが、うざがられないように、相手が話題に乗ってきたらちょっとメールやりとりするが、毎日とかはしない。
やよいちゃんのスペックだ。
大学生のバイト
21歳
彼氏なし
うん、見た目にちょっと「マリちゃん」の面影を感じていたのかもしれない。
彼氏なしというのが本当がどうかはわからないが、とりあえずやりとりしよう。
飲み屋で会った、君の名は、「やよい」ちゃん
お互いの自己紹介からメールは始まった。
作品名:偽電車男 第二部(完結編)「長いトンネルを抜けて」 作家名:ぎーくおぶじえんど