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3. 面接

さて、どこまで話たっけ？
俺は、運転中にフリスクを口に放り込んだ。

ああ、そうだった。
社会人一年目の研修のところだったな。
うん、三年前。
６月で研修が終わり、７月になった。
当時のうちの会社の営業さんに連れられて、初の客先で面接があった。
その時、一緒に同期の岡田という車好きな奴、佐藤というちょっと頭の切れそうな奴も一緒に面接受けて、無事に全員面接をパスして７月から客先で働くことになった。

俺の面接の相手をしてくれた人は、客先のIT部門のボスで、ヤマさんといった。
面接のとき、ヤマさんが俺のスキルや保有資格などの書かれた紙を見て、「大学時代に一番がんばったことは？」と聞いてきた。

俺はちょっと天然入ってたので、「『おまけん』（お祭り研究会）に入っていて、阿波踊りがんばってました。」と笑顔を決めながら答えた。
ヤマさんから笑われた。

「まぁ、この辺は雪国だから、車持ってないと大変だぜ。君は車持ってんだな。雪道の運転の仕方は一応セミナーみたいなのやるから受けといてくれ。後、冬場は雪かきしないと車も駐車場から出せないぜｗ」
「え、そうなんですか？いやぁ、まいったなぁ・・・・」

正直、雪国とは聞いていたが、そんなレベルがあるのか？と雪国育ちでない俺は、ちょっと困った。
でも和やかに面接は終了。
他の二人も合格だった。

客先は大口のお客さんで、先輩社員も何人も先に常駐として働いているとのこと。
俺の会社は一応名の知れた会社だった。

客先は、ある雪国にあるメーカーの機械工場だ。
そして、俺と岡田と佐藤は、客先近くの会社が借り上げたマンションに済むことになった。
マンションは三人ともバラバラだったが。

面接が終わってすぐに実家に帰って荷造りをし、必要なものを引越し業者に手配し、自分は車で高速道路を移動して、マンションへ。
このときは、実家から客先のある地方まで800km以上あったので、確か、高速の途中のSAにあった唯一のホテルに泊まって、二日かけて移動したと思う。
そして、ついに社会人としての本当の第一歩を新しい場所で始めることになった。

大学時代の一人暮らしとは違って、広い部屋だった。
引越し業者から荷物も受け取り、荷物を部屋に広げていた時のこと、うちの会社の営業さんから電話があった。

「明後日の日曜日に、お前の家からちょっといった山辺で、先輩社員たちと歓迎会するから、是非来てくれ。岡田と佐藤は参加するって言ってるぞ。」
「わっかりましたっ！」

思わず敬礼をする俺。
明後日の日曜日には、先輩社員さんたちと初顔合わせとなる。
どんな人たちだろうか。
いい人たちだといいな。
そう思いながら、ちょっとウキウキしながらノートPCやら何やらを部屋に配置していったのだった。

そして、その歓迎会こそが、マリちゃんとの出会いだった。