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てっしゅう
てっしゅう
novelistID. 29231
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「もう一つの戦争」 舞い降りた天使1.

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「私は不審者ではありません。なぜ自分がこんな場所に居るのかすら解らないのです。名前は裕美子と言います。姓は大久保です。あなた様はどなたですか?」

「大久保裕美子というのか。父親の軍属はどこだ?私は山本だ。五十六という」

「山本五十六・・・連合艦隊司令長官の?あの山本さんですか?父は軍人ではありません。政治家です。国会議員でした。亡くなりましたけど」

「司令長官は辞退しておる。国会議員?貴族院か?名前は何と申す」

「父は参議院議員でした。大久保正春と言います。貴族院と言われましたね?そうすると今は昭和ですか?」

「何を寝ぼけておる。昭和に決まっておるだろう。それに参議院議員とはなんだ?覚え間違いではないのか?」

「いえ、私は昭和六十年生まれの今年28歳です。ここが平成二十七年ならですが・・・」

「またもおかしなことを言うやつだなあ。ここでは何だから車に乗れ。この先の宿に着いたらしっかりと素性を聞くので正直に話すのだぞ」

そう言われて裕美子は五十六に付いて車に同乗した。中に居た幸恵に挨拶をした。