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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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慟哭の箱 7

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「旭が幸せになる。それでいいじゃない。どうしてそこへ導いてくれる清瀬さんを信じないの」
「…あいつだって裏切るに決まってる」
「そうなの?旭自身が信じ切っているのに、どうして賛同してやれない?」
「…」

だって。
じゃあ。

「旭が…幸福に、なったら、」

俺たちは、どうなる?
痛みを返し。
記憶を返し。
それを旭が克服したら、俺たちはどうなる?

「怖いかい」

声は諭すように続く。こちらの不安を見透かすように。そのくせ激しく一弥を動揺させるのだった。だめだ。のまれてはいけない。清瀬を信じてしまったら、存在意義を失ってしまう。

「怖くなんかない」

言い切る声は、震えることなく相手に届く。

「…それに、まだ終わってない」
「なにがだい」
「復讐だよ」

そう、復讐。

「まだ、あいつが生きてる」

あいつが。
あいつだけは。
絶対に何があっても。


「――俺の手で殺さないと、」


殺さないと。



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作品名:慟哭の箱 7 作家名:ひなた眞白