ゴキブリ勇者・結婚編
俺との年の差、キスのこと、あとなにを言われたっけ?
俺は泣きながら先生に相談した。
先生は複雑な顔をしながら、全部聞いてくれた。
「それは、俺が割り込んでいいことなのか、悩むなぁ」
「なにか分かるなら教えて下さい。アイツのウチにも行ったけど、全然会えなくて」
「うーん……そうだな。単純な話、彼女は君の負担にはなりたくないんだよ」
「負担?なんですかそれ。なんでアイツが負担になるんですか」
「君の負担になってると彼女が思い込んじゃったからだよ。
年の差のことも、君の年なら本来は考えなくていいことだよね?
だから、考えないでいて欲しいような、考えて欲しいような、複雑な心境になっちゃったんだろうね」
「なに言ってるんですか……俺だって年の差のことぐらい考えましたよ。
風当たりが強いことも知ってます。
なにも考えてないわけないじゃないですか」
「それを俺に言っても意味ないよ。
彼女に直接言えればいいんだけどね」
「言いには行ってますけど……会えないんですよ」
「うーん、どうしようね……」
俺は途方にくれながら、先生の家をあとにした。
空は夕焼けに染まっており、嫌になるくらい真っ赤だった。
作品名:ゴキブリ勇者・結婚編 作家名:オータ