ゴキブリ勇者・ピエロ編
クラウン商会の深い部分は、まだ私には知ることができない。
だが、クラショーにまつわるおかしな噂があるのは確かだ。
クラショーに頼めば人は消えるし、町も消えてしまうらしい。
そんな噂は嘘だ。
そう胸を張って言えなくなったのは、やはり母の最期の言葉を聞いた時からだろう。
きっと、真実を知るべき時なのは今なのかもしれない。
そんなことを考えているとき、ある少年が遊園地現れた。
彼にそっと心の内をもらすと、彼ははっきりと言った。
「クラショーが正義の味方であるはずはない」と。
私は決めた。
クラウン商会がなにをしているのか、つきとめる。
それが私の子供にできる、最良のことだと。
そして、それを誠意を持って妻に話した。
しかし、妻もクラショーの人間だったのだ。
作品名:ゴキブリ勇者・ピエロ編 作家名:オータ