NHK(novelist放送協会)
第24回『取材』してますか?
デン……、デケデケデケデデデン
デン……、デケデケデケデデデン
――新年、あけましておめでとうございます。アナタのお友だち、八馬八朔でございます。
「あけまして、おめでとうございます。倉泉悠里です」
これは悠里ちゃん。今日は正月らしく振袖……じゃなくて袴姿ですか?
「そうですよぉ、今日は初稽古行ってきました。がっちり竹刀振って来ましたよ」
アナタ毎日頑張るねえ、こんなに寒いのに。
「寒い時ほどカラダ動かさないと、凍りついたら動けなくなっちゃいますよ」
――ってアナタ、どんなところで生きてるの?
ところで、正月といえばやっぱりこの音楽なんでしょうか?
「ああ、この『デン……、デケデケデケデデデン』って音楽ですか?」
そうそう。ワタクシの中で正月になると強制的に脳内再生されるのがこのデン……、デケデケデケデデデンというお琴の音です、イントロのあと尺八吹くやつ。
「それって『春の海』ってタイトルあるんですよ」
ほう、ちゃんと調べてたのね。
「ハイ。ウチのお姉ちゃんが調べたのをそのまま答えただけなんですけどね♪」
というわけで、うちらもやってみましょうか。
「じゃあ悠里が尺八吹いてみるから、88さんはお琴弾いてよ」
――普通、逆ちゃうの?ああ、お琴より尺八の方が簡単そうだからって理由ね、はいはい。でもしかし尺八って音出せるまで三年かかるらしいで(と聞いたことがあります)。
「へ~、だから高校ではせえへんのや」
どういうこと?
「三年かかるんやったら音が出せる頃に卒業じゃないですか。あ、どっちにしてもカゴ忘れたから尺八って吹けないですよね……?、え?ちゃうんですか?」
アナタ、何を勘違いしてる?もしかして尺八って虚無僧が吹くものと……?(←これ本当はワタクシが子供のころ勘違いしてた)
「あはは――」
チミもそうやったんかいっ!(ちゃんちゃん)
ま、どっちにせよこの番組は音も映像もないんでした。しかし、目を閉じて耳を澄ませば感じてくる音楽と映像、それがワタクシたちでございます。
「今年もよろしくお願いしま~す」
みんなの情報交換の集会所
みんな集まれ、novelist放送協会
N――H――K
「それじゃ、スタートでっす!」
作品名:NHK(novelist放送協会) 作家名:八馬八朔