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ダンジョニアン男爵の迷宮競技

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 「グルゥゥゥウウウウ」
星深門の虚燕歩で戦斧を避けた。
マシントレーニングの機械のフレームが戦斧で切り裂かれた。
 確かに威力は物凄いようであった。
スピードもそうだ。
 次々と巨大な戦斧の重さが無いかのような攻撃を繰り返してくる。
虚燕歩で足を繋いで避けていく。
だが、無尽の歩方を誇る虚燕歩で繋ぎ続ける事で避けることは十分可能だった。
更に動きを早く複雑にする八陣門の歩法を使うまでもなかった。
 そしてポゴンが戦斧を真っ正面から振り下ろしてきたとき。
 一歩前に出た。
 そして轟雷掌を三メートルある、ポゴンの腹に打ち込んだ。
 ポゴンの動きは止まり前に倒れた。
そして音を立てて倒れた。
 ポゴンは目玉が血と共に飛び出て耳から血が噴き出して舌が大きく伸びて口から血を吐いている。
「どうしたポゴン立て!邪戦斧隊は皆、心臓が五つ在る!ただのボディーブロー一発で倒れるな!邪戦斧隊の名誉に掛けて立ち上がれ!」
三つ顔の怪物が叫んだ。
「俺が倒した。これが武覇山の拳術だ」
ジーウーは言った。
「何だと貴様如き小兵の手の平にどれだけの力が在るというのだ。我等は最強の戦士集団邪戦斧隊だ!」
 三つ顔の怪物が叫んだ。
「見苦しいぞ。邪戦斧隊!お前達は一対一の一回勝負のルールを呑んだ筈だ!この部屋は我々が通過する」
 黒鷹が言った。
 「ジーウーよくやった。大金星だ」
黒鷹が言った。



スカイ達は迷路を歩いた後、目の前に現れた青い扉を開けた。
 中はラメゲが居た空間と同じぐらいに広い空間が広がっていた。
そして冷気が押し寄せてきた。
黒い袖無しのTシャツ一枚のスカイは寒くなった。
 そして、何も無い空間の床をスケート靴を履いて滑っている男女のペアが居た。
「何だよ、何、アイツ等は滑って居るんだ」
スカイは床に脚を踏み入れた。途端にツルンと滑って前後に開脚して転けた。
「な、何だコレは、床が滑るぞ。いや、床が氷で覆われている。そしてツルツルだ」
スカイは立ち上がりながら言った。
 床を触ったら氷だ。手がくっつきそうになった。
「来たな」
「来たわよ」
氷の床の上で二人の男女はスピンしながら。言った。
 「また、変な奴等が居るな」
 スカイは言った。
 「オレの名前はダンジョン・ストーカーズ一のハンサムガイ、カダミー!」
 金髪の男が黒いピッチリして金と銀の糸で刺繍をされた服を着てスピンしながら名乗った。
 「わたしの名前は、ダンジョン競技の一輪の薔薇マアン」
茶色いショートヘアーの化粧の濃い赤いミニスカートのドレスの女がスピンしながら言った。
スピンして二人の怪人達は近づいていった。
 そしてカダミーがマアンをリフトして持ち上げてポーズを決めた。
 「二人合わせて!ダンジョン・ストーカーズ、キリング・ランキング九位!氷上の踊り手アイシー・ダンサーズ!お前達をこのリンクの上でボコボコにして、ぶち殺す!」
カダミーとマアンは手を開いてポーズを決めたまま滑りながら言った。
「まいったな、ハンデ・マッチだ。アイツ等は、この氷で覆われたリンクを自分の家のように熟知している。練達のスケーター達だ。
片やオレ達は、このツルツルの氷の上では立つことすら叶わない」
 マグギャランは氷の上で立ちながら言った。そして直ぐに、すっ転んだ。
 「痛っ!傷口が開きそうだ!」
 マグギャランが立ち上がりながら言った。
 コロンも転がって背中で滑っている。
「いくよマアン」
カダミーがマアンの肩に手を掛けて言った。
二人で手を繋いで氷のリンクの上を滑り始めた。
 「任せてカダミー」
 マアンが言った。
「確かに分が悪いが。ラメゲの居る部屋を通り抜けようとする方がアブねぇぞラメゲはダンジョンストーカーズ、キリング・ランキング4位だが、コイツラはキリング・ランキング9位だ。ランキングからすればコイツラより楽なルートは無いだろうな」
 スカイはバランスを取りながら言った。
「そうだな。コイツラを倒すか」
 マグギャランは腰の剣に手を掛けた。
「いや、ルール上は、この部屋を通過すれば良いんだ。無理して倒す必要はない。何とかして、あの二人の攻撃をかわして通過するぞ」
 スカイは向かってくるカダミーとマアンを見ながら言った。
スカイは氷の上を滑って部屋の端の方へと向かおうとした。だが、スカイのブーツでは氷の上でバランスを取ることが難しい。
「君が輝く瞬間さ!」
 カダミーはマアンの手を持って、マアンをグルグルと回し始めた。マアンが空中に浮いた。
 「そうよ、わたしが輝く瞬間!」
 そしてカダミーが手を離した。
 マアンが凄いスピードでスカイの方へ飛んでくる。
 げ、何というスピードだ。
 スカイは直滑降の様な姿勢で両腕でバランスを取っていた。だが回避しようにもマアンは凄い勢いで突っ込んでくる。
避けらんねぇ!
「エルボー!五連スピン薔薇吹雪!」
マアンがスカイの前で着地して回転を始めた。スカイのコメカミにマアンのエルボーが襲ってきた。だがスカイは両腕を交差させて受けた。
どかっとスカイの腕に衝撃が走った。
 「うげっ!」
 スカイは氷の上を滑って吹っ飛んでいった。
反射的に反対方向へ飛んで正解だった。
 華奢に見えてマアンのエルボーは凄い威力だ。
スカイの鉄の手甲で覆われた左腕は痛んだ。
「イテェじゃねぇかよ!」
 スカイは姿勢を入れ替えながら言った。
「どうやらクリーン・ヒットを逃れたようね。本来なら今の一撃であなたの頭蓋骨は陥没して脳に頭蓋骨の破片がグチャグチャに突き刺さって即死していたはずよ」
マアンが回転して離れていきながら言った。
その先ではマグギャランがカダミーに捕まっていた。
「ぎゃっ!スカイ捕まった!助けてくれ!
コイツ香水の匂いがキツ過ぎる!うわっ凄いキツイ匂いだ!」
マグギャランがカダミーに後ろから羽交い締めにされて氷の上を滑っていた。
「大丈夫か!マグギャラン!」
 スカイは氷の上を滑っていった。だがスカイの滑る速度ではマアンを止めて分断させる事は難しかった。
「行くよマアン!」
カダミーがグルグルと回転しながらマグギャランをリンクの真ん中に引っ張っていった。
「任せてカダミー!」
マアンが低い姿勢で回転を開始して、リンクの真ん中で背中を曲げて脚を持ってスピンを開始した。
カダミーがマグギャランを連れて回転するマアンへと近づいていった。
「やめろ!離せ!」
 マグギャランは叫んだ。
そして……
「百三十回転スピンキック!」
 マアンはグルグルと回転して氷上を跳ねながらマグギャランの顔を連続して蹴りつけた…???
 マグギャランはカダミーの足を自分の両足でロックして、ぶら下がっていた。
 「離せバカ!」
 マグギャランの重みで前屈みになったカダミーが叫んだ。
 そしてカダミーの顔にマアンの回転蹴りがヒットした。
 「ぶっ!オレの美しい顔が!」