怪我猫看病記 ~ミシェル~
噛み傷、ひどく腫れる
7月14日
包帯を替えようとして、手を噛まれてしまった。
そこそこ深くて出血したが、血を絞り出すようにして流水で洗い、抗生剤の軟膏をつけてカットバンを貼った。
少したって腫れてきた。まあ、このくらいは良くあること、と思っていたら、とんでもなかった。
噛まれた人差し指の下のやや手のひら側の傷が局所的に腫れてきたのではなく、人差し指や中指、その下の手のひらが青黒く腫れてきた。物を握るのに腫れぼったく、痛みは増すばかり。
連休だし、このくらいで雨の中、知らない病院に行くなんて、と思っていたのだが、だんだん不安になってきた。指の太さが5割増になっている。
結局、あちこち聞いて夜間の救急で診てもらった。自分で運転するのは怖いので、夫に連れて行ってもらった。
患部を消毒し、リバガーゼで覆い、破傷風予防の注射と抗生剤の点滴を打たれた。
7月15日
軟膏がなくなるので動物病院へ行って来た。
そのとき、噛まれてひどく腫れた話を獣医さんにしたら、猫の噛み傷は、1,2回目よりも数回目のほうが腫れることが多いみたいだ、とか。その獣医さん自身も、獣医さんの上司だった獣医さんも、仕事始めてからのほうが、腫れるようになったそうだ。
一種の抗原抗体反応のようなものなのだろうか?
何か、妙に一人で納得したり、自分が受けた医療は、もしかして気休め程度にしか効いていなかったのでは?とも思ってしまった。だって、腫れてはいるが、膿は絞っても出てこない。化膿してるからでなく、化膿予防に抗生剤、念のための破傷風予防といったところか。
リバガーゼは化膿予防より、濡れていることでの冷却効果のほうが大きかったりして、などとも思った。リバノールはうちにはなかったが、イソジンで消毒していたのだから、案外、冷やせば、病院に行くほどでもなかったのでは?という気がしないでもない。
ともあれ、それから2日たって、腫れはほとんど引き、何かを握ってもそれほど違和感がなくなったので、一安心した。
作品名:怪我猫看病記 ~ミシェル~ 作家名:白久 華也