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てっしゅう
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SF小説「AKARI」 第八話

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「はい、山口です」

「国立病院のものです。いま、加古美由紀さんの救急搬送で担当になった医師です。意識が回復しましたので連絡先を尋ねましたら、山口さんの番号を教えてもらいましたので掛けさせて戴きました」

「そうでしたか。どうしたのでしょうか?」

医師は状況を説明した。山口はAKARIが心配になっていた。
ベッドで横になっていた妻に、すぐに戻るから病院まで出かけてくると伝えた。
加古と対面した山口は最初の一言で信じられない思いを感じた。それはAKARIではないと思えたからだ。

「山口さん、私はどうして倒れていたのでしょう?それもスーパーのトイレの床でです」

「スーパーのトイレの床で?本当なのか」

そこは妻がいつも買い物に行く場所であった。

「おれの妻はそこで停めていた車の中で気分を悪くして動けなかったんだ。さっき迎えに行って聞いたら、加古さんと一緒に買い物へ行ったと
話していたよ。そうじゃなかったのか?」

「私はあの日、オープンの前の日に意識を失ったらしく、そのあとの記憶が無いんです。ずっと倒れていたのでなければ、
どうしていたのかご存知ですか?」

「君は・・・AKARIじゃないのか?」

「AKARI?私は加古美由紀ですよ。よくご存じなはずです」