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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「夕美」 第七話

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「実は俊之さまがお亡くなりになってそのあとのことで由美子おばさまと隆一郎さんからお申し出があったんです。私にずっと一緒に暮らしてほしいから、許されるのなら離れている弟や妹たちを引き取って同居してくれてもいいと言って頂いたのです」

「そうか!それはいいことじゃないか。是非に甘えるといいよ」

「はい、しかしお義母さまは良いお顔をされないって思うんです。厚かましいというか、私が言い出したんだろうってとられそうで」

「うん、そうかも知れないな。あいつ最近様子がおかしいから俺も何か考えているんじゃないかと心配してるんだよ」

「そうなんですか?知りませんでした。どうされたのでしょう?」

「聞いても返事しないからわからないんだよ。別に機嫌が悪いわけではないからそのままにしているけどな」

夕美はきっと俊之のことで気落ちしているんだと感じた。
あの夜に見た現実を誠一郎に話す気にはなれなかったので知らぬふりをした。

「いくら私が大森家で今必要と思われているかも知れませんが、兄弟全員を引き取ってお世話掛けるということは、はばかられます。お金の問題よりこれは私自身の思いなんです。自分で収入を得て必ず兄弟一緒に暮らすと誓って家を出たので今収入のない自分がいくら弟や妹が不憫でも甘えるわけにはゆかないんです」
作品名:「夕美」 第七話 作家名:てっしゅう