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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「夕美」 第七話

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季節は夏を迎えた。
学校が夏休みに入って夕美はお盆の数日休みをもらって実家に戻ってきた。
元気に日に焼けた顔を見せて晴樹は出迎えた。

「お姉ちゃん!お帰り」

「晴樹!元気そうね。真っ黒になって、プールね」

「うん、お姉ちゃんは行ってないの?」

「そうね、夜の時間に学校へ行くからプールには入らないのよ。それより、辛いことは無かった?」

「ないよ。おじさんもやさしいから」

「よかった。お姉ちゃん心配してたの」

奥にいた雅子が顔を見せた。

「夕美、そんなところで話してないでこっちに来なさい」

「はい、お義母さま。あっ、これ大森さまから預かってきました。渡して欲しいと」

夕美は由美子が用意してくれた実家への手土産を雅子に渡した。

「気を遣わなくてもいいのに。帰ったらよろしく伝えておいてね。ところでいつまで居るの?」

「はい、三日間頂きましたので、16日には戻らせて頂きます。宜しかったですか?」

「別に・・・私は何もしてやれないから、兄弟と会って話すといいわ。夫に頼んでそれぞれの家に行くといいから」

「お義母さま、ありがとうございます。ぜひそうさせてください」

雅子は誠一郎に用件を話すと自分の部屋に入っていった。この日の午後から夕美は手土産を持参して弟と妹たちの引き取られている家を訪ねた。
みんな特に問題を抱えずに暮らしていることが確認できて安心していた夕美は優しくしてくれる義父の誠一郎に本心を打ち明けた。

「お義父さま、お話を聞いて頂けますか?」

「うん?大切なことなのか?帰ってからでもいいぞ」

「いいえ、お義母さまにはまだお聞かせしたくないお話なので・・・ここでいいですか?」

「そうか、じゃあ車を止めよう」

誠一郎はコンビニの駐車場に車を止めて、夕美の話を聞くことにした。
作品名:「夕美」 第七話 作家名:てっしゅう