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てっしゅう
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SF小説「AKARI」 第七話

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どれぐらい時間が経ったのだろう。時計を見た山口には日付が翌日に変わろうとしていることに気づかされた。まだ帰れないと妻に連絡して加古の顔をじっと見つめていた。

「山口さん、心配をかけました。私です、AKARIです」

「えっ?戻ったんじゃなかったのか?」

「未来の自分の体に問題があって、意識を移すことが不可能になってしまいました。私はもうここで生きてゆくしかなくなりました」

「それは何と言ってよいのか、残念なことになってしまったね。つらいだろうけど、おれでよければAKARIが生きてゆけるように力になるよ。心配しなくていい」

「はい、今は山口さんに頼るしかありません」

「ああ、それでいいよ。体調が思わしくなければ訳を話して明日は仕事を休めばいいよ。プログラムは修復されているからもう不安はないから、おれ一人でもできる」

「いえ、それは嫌です。今は一人で居たくありません。明日は今まで通り仕事に行きたいです」

「AKARIは強い人だ。おれなんかに頼らなくても頑張れると思うよ。よき仕事仲間として君をサポートするから、心配しなくていいよ」

「ありがとうございます。でも、今夜はここに居てください。お願いします」

「AKARI、おれには妻がいるから、簡単に外で泊まれないんだよ。わかるかい?」

「約束を守らないといけないということですよね?」

「そうだよ。結婚した夫婦は一緒にいないといけないというルールがあるんだ」

「前に私にしてくれたようなことはもう二度と山口さんはなさらないと決めたのですか?」

「うん、わるいなあ。身勝手なことを言って」

「いえ、私は山口さんを大切に考えていますし、これからは傍に居てくださらないと困りますので言われたとおりにしたいと思います」

「ありがとう。君は物分かりの良い素敵なお嬢さんだよ。これからも仕事ではサポートしてほしい。頼むよ」

「はい」

AKARIは自分に言い聞かせていた。それはこの世界で生きてゆくために強くならないといけないということだ。