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てっしゅう
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SF小説「AKARI」 第七話

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「今の段階では不可能らしい。いくら修復しても前の状態を100%受け継がないから、プログラムがAKARIを認識しないんだよ。こうなったら、プログラムを改善して戻す方法を研究しないといけない」

「ねえ?他人の体には意識を移せるのに、なぜ自分の体にも同じ方法で入れないのかしら?」

「それは、今現在AKARIの肉体が生命活動をしていないからだよ。脳機能がほぼ停止している状態では、移すことは危険だし、失敗したら未知の出来事が生じるだろう。そんなことは出来ないよ」

「入れ替わらないとダメって言うことよね?簡単に言うと」

「そう言うことだな。意識生命体はその単体で存在できるほど強いエネルギーを持っている。それは人間が備えている脳のパワーだ。意識という領域だけ別にあるのではなく、生命のすべてとつながって存在しているから、例えば意識がなかったり、麻酔状態の体にも意識生命体は移せないんだ」

AKARIはGEORGEの説明に納得せざるを得なかった。

GEORGEは装置を完全に修復させて、安全性が確認できたら、自分が2015年に行ってAKARIの傍に居てやりたいと考えた。恋愛感情ではなく、自己責任として過去の世界にAKARIを一人で放置しておくことがつらく感じていたのだ。

未来の管理された社会で統制された意識の持ち主であっても、別れはつらく感じるように残されていた。

数分間の無意識状態から加古は再び目覚めた。

「加古さん!山口です。気がつきましたか?」

AKARIはその声にすぐに反応できなかった。それは、再び加古の意識と入れ替わる時間が必要だったからだ。

「話さなくていいよ。ベッドで横になっていなさい。君が元のように意識が戻るまでここに居てあげるから」

「山口さん・・・」

とそう言うのが今は限界だった。