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てっしゅう
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SF小説「AKARI」 第七話

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山口が帰って一人になった部屋で体調が戻ってきたAKARIはこの先のことを考え始めた。

何事もなく数か月が過ぎたある日、山口は妻を伴って休日に歴史資料館へとやってきた。
自分がやっているタイムトラベルの展示を見てみたいと妻が言っていたからだ。

AKARIに紹介してプログラムを観終わった山口の妻は、感動していた様子に見受けられた。
二言三言会話をして、妻と一緒に帰って行った山口の後姿を見てAKARIはこれまでで初めて感じた心を締め付けられる感情に悩まされた。

そしてその気持ちは消えることなく毎日山口の顔を見るたびに強くなってゆく。
自分がいた時代では男と女はただ人間としての意味で区別されていた。
加古の体に入って現代の女性の感情をゆっくりとではあったが理解するように変化していた。

それは同性の相手と話しているとき、山口と違う男性と話しているときとは明らかに異なる思いが自分に存在する戸惑いであった。
いつしかAKARIは山口のことを好きになっていた。締め付けられる思いは初めて知る恋であったのだ。