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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「夕美」 第六話

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少し体調がすぐれない様子を感じていた由美子ではあったが、疲れから来ているだろうぐらいにしか感じていなかった。
医師から今夜が山場かも知れないと聞かされ、病院で徹夜する覚悟を決めていた。
夕美は自宅で留守番をして俊之の無事を祈っていた。思いついたように、実家の誠一郎に電話をした。

「もしもし、お義父さま?夕美です。急に電話してすみません。お義母さまいらっしゃいますか?」

「夕美か、どうした?雅子は今台所だけど・・・呼んでくるよ」

しばらくして雅子は電話口に出た。

「夕美?どうしたの電話なんかしてきて」

「ご無沙汰しています。お変わりないですか?」

「ないわよ。そんなこと言ってないで用件は何?」

「はい、俊之おじさまが今日の昼に外で倒れられて・・・いま八事日赤で治療中と隆一郎さんから聞かされました。一応お知らせしておこうと
思いまして電話しました」

「ええ?倒れた?どういうこと?」

「詳しくはわかりません。今夜はおばさまも帰ってこれないかも知れないから一人で留守番するようにと言われています」

「本当ね?八事日赤ね?」

「はい、本当です」

雅子は夫の誠一郎に事情を話して、夕美が世話になっているからと見舞いに行くと話した。
すぐに着替えて急ぎタクシーを拾って病院へ向かった。
「俊之さん・・・死なないで・・・」
そう願うだけが精いっぱいだった。
作品名:「夕美」 第六話 作家名:てっしゅう