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てっしゅう
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SF小説「AKARI」 第六話

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AKARIを見た両親は信じられない表情をしていたが、山口の説明に納得したのか、娘の体のチェックだけは必ず行ってもらえるように頼んでいた。

「美由紀、じゃあ私たちは帰るよ。山口さんにご無理をお願いしたけど、体を元に戻すために病院へは必ずゆくんだよ」

母親はそう言い聞かせた。30歳になっていても、遠く離れて暮らしている娘は心配なのだ。

「解りました。今日はありがとうございました」

AKARIはそう言って頭を下げた。後ろ髪を引かれるような気持ちを振り払って母親と父親は地元へと帰って行った。もう自分の娘ではないような感覚がしていた。それはそうであろう。

2999年の未来では、壊れたタイムトラベルのプログラム修復が急ピッチで行われていた。
GEORGEもいち早くAKARIを戻したいと願っていたのだ。

「うまくいってくれよ・・・」

祈りの気持ちでGEORGEは技術スタッフの控えるオフィスでプラズマ融合炉の出力を上げた。
カウンターを2015年にセットして、AKARIの意識を戻すべく座標を入力して連絡がつくのを待った。

部屋に居たAKARIは未来からの通信が来たことを感じた。

「AKARI!聞こえるか?GEORGEだ!」

「ええ、聞こえるわよ。早かったのね。まだ一週間ちょっとしか経ってないから、驚いたわ」

「急ピッチで修復させたからね。AKARIの体に主装置は繋いであるから、今から意識を移すぞ。いいかい?」

「解ったわ。でもちょっと待って。こちらの世界で世話になった人にお別れの挨拶だけして行きたいから」

「そうか、でも何が起こるか予測できないから座標は変えたくないんだ。相手には何で知らせるんだ?」

「電話するの、スマホで」

「スマホ?通信機か?」

「そんなもんね。説明は急ぐから後からにするわ、待ってて」

AKARIは山口に電話した。