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てっしゅう
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SF小説「AKARI」 第六話

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「もしもし、AKARIか?どうしたんだ」

「山口さん、急な話で申し訳ないのですが、今自分のいる未来から通信が来て、私を戻す操作をすると言うんです。それで、山口さんとお別れすることをお知らせしようと電話しました」

「急にそんなこと言うなよ。すぐそちらに行くからおれが着くまで待っていてくれ!いいか待ってるんだぞ!」

山口は妻にトラブルがあったので出かけるといって車を飛ばした。
車の中で本当にAKARIは居なくなってしまうのかと不安に感じていた山口は、もし加古が目覚めたら自分はどうすればよいのかとも考えていた。
なぜなら、他人ではなくなっていたからだ。その記憶が残されて目覚めたら、大変なことになってしまうと思えるのだ。

言いようのない不安に襲われながら、車はAKARIの居るところに着いた。

「山口だ!開けてくれ」

「はい、こんな時間にごめんなさい」

「いいんだよ。それより聞かせてくれたことは本当なのか?」

「ええ、いま私の意識生命体は、未来の主装置にセットアップされています。自分の体に戻す作業が成功すれば、AKARIは居なくなり、加古さんの意識は戻ります」

「今すぐにそうしなければいけないのか?」

「未来で心配して待っていてくれているスタッフに答えないといけませんから、なるべく早くにと考えています」

「上からの命令ということか?」

「そういうのではありませんが、従いたいと思っています。山口さんには大変お世話になりました。未来でも決して忘れることはありません」

山口の寂しそうな表情をAKARIは切なく思っていた。