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てっしゅう
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SF小説「AKARI」 第六話

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次の開演時間が迫ってきていた。緊張した表情で山口はプログラムが立ち上がるのを待っていた。
ピーという乾いた音の後に、液晶パネルは「START」の文字を浮かび上がらせた。

「やった!AKARI!助かったよ。君は本当にAKARIだったんだ・・・」

「はい。私はAKARIです」

再び上映が始まったタイムトラベルコーナーは大人気を博し、連日長い行列で待ち時間規制となっていた。


二人にとって一週間の時間があっという間に過ぎていった。
AKARIは初めての休日に母親と父親が様子を見にやってくると聞かされていた。救急搬送のあと連絡を取っていなかったので心配したのであろう。少し困惑した表情で山口にどうすればよいのか相談した。

「明日、両親とやらがここに来ると思います。私はどうやって相手をすればいいのか解らないんです。山口さんも傍に居てもらえませんか?」

「そうだなあ、仕事はおれがいないとダメだろうけど、所長に相談して半日でも休暇が取れるようにお願いしてみるよ。君のことはおれから記憶が失われていると話すから、合わせてくれよ」

「はい。ありがとうございます。今日は・・・一緒に泊まっていってくださいませんか?」

「AKARI、そうしたいけど妻がいるし、オープンしたから外泊する理由も言えないし無理だよ。明日は早めにここへ来るから我慢してくれ」

AKARIはなぜ自分が山口に泊まってくれるように言ったのか不思議だった。不安な感情が支配し始めたときに、あの時の夜の落ち着かされた気持ちを思い出して、自然と口から出たのかも知れない。
もう自分は未来の自分ではなくなってきていると、その変化に戸惑っていた。