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てっしゅう
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SF小説「AKARI」 第六話

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「すごい!本物みたいだ!ねえ、お母さん!」

子供たちの喜ぶ声がする。山口にはこの日のために努力してきた喜びを感じた瞬間であった。
AKARIは映像を見てつい先ほどまで自分が実際に居た一億年前の光景と見比べていた。
資料が正確なのだろう。映し出されている風景も恐竜の姿もそれほど違いがないように感じられた。

一度目の上映が終了した。二度目の上映時間まで30分の休憩があった。山口はパネルの前でオートプログラムが働いて、最初から再び映像がスタートすであろうことを信じていた。
技術スタッフに教えられたとおりにリセットボタンを押して、シーン1に赤ランプが点るようにした。

次の瞬間、液晶パネル画面はリピートせよという指示を出していた。
再びリセットボタンを押すがまたおなじような画面に戻ってしまう。いったん電源を落とす再起動を試みたが、プログラムは同じようにリピートせよと指示を出すだけだった。

「これはひょっとして加古、いやAKARIが指摘していた現象が起こっているのではないか」

そうつぶやくと、すぐ近くに居たAKARIを呼び、パネルの前で状況を話した。

「やはりでしたね。テストでは一度だけしか上映されていなかったでしょう?」

「そうだよ」

「繰り返しのプログラムに不都合があって、止まってしまうって気づいたわ」

「なぜそれを言わなかったんだ、昨日」

「信じてくれていなかったじゃない。違う?」

「それはそうだけど、そう言ってくれれば連続のプログラムのチェックをしたのに」

「大丈夫よ。すぐに直すから。待ってて・・・」

そういうとAKARIはキーボードを操作してプログラムのソースを呼び出し、書き換えをした。

「これでいいわ。再起動してみて」