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てっしゅう
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SF小説「AKARI」 第六話

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「加古さん、君はこうして話をしているとまったく未来から来たとは感じないよ。きっと何かの記憶が混同しているだけなんだと思えるよ。いや、そうあってほしい」

「私はAKARIです。それだけは真実です。この体の持ち主はどのような人だったのかは解りませんが、山口さんに早く私自身を理解してほしいと思います」

「そうだな。おれにはまだ不可解だけど、昨日君が言った今日のタイムトラベルプログラムが不調になれば、すべてを信じることにしよう。それまでは、加古さんだよ」

二人は時間になって服を着替えた。歩いて歴史資料館に向かった。時刻は8時ちょうど。もうすでに何人かのスタッフは出勤していた。加古美由紀の顔を見て、「おはよう!良かったね、元気になれて」と声をかけていた。AKARIもそれに笑顔でうなずいていた。

朝礼があって、オープン記念の市長のあいさつが終わって、待ちわびた入場者たちが一斉に会場内へと流入してきた。もちろんお目当ては山口のいる「タイムトラベルゾーン」であった。

定員100名で満室となった部屋をクローズして、照明が消されると廻りのスクリーンに大きく美しい4Kの映像が映し出された。
「オー!」
という声に続いて、最初に現れたジュラ紀の恐竜の登場に歓声が上がった。