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相思花~王の涙~ 【後編】

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 なお、永宗の寵愛を独占し、あまりに彼の心を奪ったがために王の寿命さえ縮めた妖魔―そう伝えられるシン・ソナの末路は不明である。永宗の葬儀後、後宮で自ら生命を絶ったとも、病死したともいわれており、いずれにせよ、後宮から姿を消したことはまちがいないようである。
 王の死後、彼女の痕跡は一切、記録にも残っていない。
 
   (完)


 あとがき

 春爛漫、桜の季節になりました。色々とあった先月でしたが、今月からまた新たに復活致しました。
 二ヶ月に渡って書いてきた韓流物、いかがでしたでしょうか? 最近の作品の中では、去年の秋に書いた?絶唱〜身代わり姫の恋〜?のほどではありませんが、本作も最後は書きながら少し涙が出ました。
 この作品は私にとって二年ぶりの韓流物となりますが、実を言うと、二年も書いていないにも拘わらず、何故か韓流を書くのはさほど抵抗がありませんでした。つまり、無理なく作品世界に入ってゆけました。本音を言えば、数年間、韓流ばかり書き続けて日本の時代物に戻ったときの方が緊張しました。
 何故か? 応えは簡単―笑。韓流小説から離れていた間も、私がずっと韓流時代劇を見ていたからです。私は日本人で、いわば韓国の人から見たら外国人です。なので、二年も韓流時代劇から離れていたら、きっと作品世界に入るのも難しかったことでしょう。また、その前に再び書こうという気にもならなかったでしょうね。
 なので、私自身、二年も離れていた割には、復帰するのに抵抗も不安もなかったです。これは助かりました。
 さて、話は作品に戻ります。今回、私がテーマにしたのは?悪女?でした。これは?花たちの戦い?のヒロイン、ヤムジョンに触発されるところが多かった。元々、私が韓流物を書くようになったきっかけも?妖婦 チャン・ヒビン?に感動! したからなので―笑。
 ところが、私には悪女は描けないのですね。これは以前から感じていました。私自身がそうではないからと言うと、自分が善人・良い人だと言っているように聞こえるかもしれませんが、そうではありません。私は所詮は、なるとしても小悪党程度―笑。歴史に名を残すような大悪党にはなれません。つまり、器が小さ過ぎるのです。
 だから、悪女は描けない。なので早々と諦めて、今度は?悪女を目指したけれど、悪女になり切れなかった女の子?を描くことにしました。以前、日本の江戸物でも?妖婦?を描いたことがあるのですが、なかなか難しかったですね。
 こちらも構想段階では、かなり後の方まで王妃になることに固執する野心家の少女で、ハンが亡くなってから改心するというはずだったのに、何故か描いている中にその手前、早い段階でヒロインが改心してしまいました。これは勝手に筆がすべったというか、動いたのです。流れで時としてこういうことがあるので、敢えて逆らわず筆の進みに任せました。
 久しぶりの韓流時代劇の世界、とても愉しかったです。
 また、今回は韓流物を書きましたが、これは以前のように、韓流ばかりをひたすら書くというわけではありません。これからは江戸物・韓流物・現代物と普通にランダムに気の向くままに描けたらと思っています。
 今後の課題としては、やはり日本の時代物や歴史について、もっと勉強したり視野をひろげたいなという気持ちが強いです。韓流ドラマは執筆とは関係なく、これからも見ていきます―というより見たいです。
 面白いんですよねぇ。何故か、心惹かれます。でも、韓流でも時代劇ばかりですから、見ていると、歴史観とか、時代劇の作り方など時々、監督の語りとかが収録されていて、とても勉強になります。文章も歴史もまだまだ勉強しなければならないなぁと感じています。
 そして、小説の基本は日々の生活、他ならない自分の人生をきちんと丁寧に生きていくことだと思います。日々の何気ない暮らしの中で見聞きしたこと、感じたこと、出逢った人々が自分の内面を豊かにしてくれ、それが最終的に作品に還元されるのだと考えます。
 現代物も書いてみたいという気持ちはあるのですが―、なかなかです。?監禁愛?を書いた後、?シークレット・ガーデン?を書くまで様々な葛藤があり、あれを書いたことで突破口ができたはずなんですが―笑。
 今は時代ものでやはり書いてみたいものがあるので、そちらを優先したいと思います。
更に、この作品のヒロイン、ソナ。私、いつもながら書いている中に、母のような愛情が湧いてきました。もしかしたら、ですが、ソナのその後を描くかもしれません。何かこのまま終わっては可哀想な気が。
 いつもながら、長々しいあとがきは要らない方はどうぞすっ飛ばしてやって下さい。
 ここまで拙い作品をご覧いただいて、本当にありがとうございます。
 それでは、また、次回作でお眼にかかることを愉しみにしております。
             東 めぐみ拝 

いよいよ大好きな桜の季節に
二〇一五年三月三十日
 
追伸

 また長くなりますが、この作品、前編にはあまり官能描写が入っていなかったと思います。描こうと思えば描けましたが、敢えて入れませんでした。
 一転して後編では、官能的シーンを織り込みました。実は前編と後編で静と動、そういう描き方をしてみたいと思い、私的に試みた作品です。