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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「夕美」 第五話

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元日の朝、実家に帰っていた雅子は夫誠一郎に年賀の挨拶で電話をしていた。

「あなた、おめでとうございます。今年も実家からだけど、お一人でのんびり出来ていいよね?そうそう、実家のみんなで明日と明後日は遊びに出かけるからそのおつもりでいて下さいね。急な用事があったら悪いけど三日まで待ってて下さる?朝には一応電話入れますから。帰りは夕方になると思います」

「おめでとう。気にするな。ゆっくりして来いよ。おれは心配ないよ。夕美が帰ってくるかもしれないから、そのときは遊びに連れて行ってやるよ。それぐらいは構わないだろう?」

「ええ、いいわよ。大森家の都合もあるから、三日には帰るように言ってよ」

「ああ、解かったよ。じゃあな」

雅子は夫に自分が二日と三日は実家のみんなで出かけると話していた。
誠一郎はそのことを疑う事は無かったが、かといって気に掛けるようなこともなかった。もう夫婦関係は冷え切っていたのだ。
雅子の義父、正確には養子縁組しているので父だが、事業の関係で大森俊之とは懇意にしている。
若いときから雅子は大森を見てきている。雅子より10歳ほど歳が上で、将来有望な銀行マンだと聞かされていて、乙女心に憧れの男性に映っていた。
有力な取引先の社長に懇願されて、大森俊之は由美子を妻にした。もちろん仲人は雅子の両親が引き受けていた。
作品名:「夕美」 第五話 作家名:てっしゅう