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タイタニック気付 ジャック

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6 本物のパーティー



“君に後悔
させたくない

時計の下で
来るまで待ってる”

席を立ち際
そっと渡した
走り書きのメモ

来てくれるって
信じてた

シャンパンも
キャビアも
ないけど

本物の
パーティーに
君を招待
したかった

レディの慎み
周囲の小言
世間体

そんなもの
全部
放っぽり出して

1度くらい
1人の普通の
女の子として
君を解放
してやりたかった

羽目はずさせて
やりたかった

窓もない
3等食堂

着いたときには
大盛況で

イーリアン・パイプ
マンドリン

次から次へと
テンポの速い
アイリッシュ

そこいらじゅう
ビールのグラス
タバコの煙

浮かれた手拍子
踊る群衆

座ってるなんて
バカらしすぎる

おいでよ
ローズ!

ステップが
判らないって?

ちょうどよかった
僕も知らない

ホールドなんか
気にしないで

向かい合って
近づいて

リズムに任せて
いっしょに跳ねる!

止まっちゃダメ!

そうその調子!

考えない!

あの日の君は

ワインレッドの
高価なドレスを
一晩で
おじゃんにするほど

まるまる2時間
踊って
跳ねて

上気して
汗ばんで

合間には
ステージの上で
靴脱ぎ棄てて
タップを踏み

そのまま裸足で
つま先立ちして
拍手喝采
ご満悦で

他人のタバコを
横取りし
そこらのビールを
がぶ飲みして

招待主の
期待以上に

大声で
よく喋り
大声で
笑い転げた

楽しかった?

本物の
パーティーって
悪くないだろ?