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てっしゅう
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SF小説「AKARI」 第四話

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「私には山口さんの言われることが理解できません。山口さんは男性、私は女性、だからどうだと言われるのですか?
私の住んでいる未来では、争いごともない平和な暮らしをみんながしています。人に危害を加えるような事は決してないんです。そのことを信じてください」

「う~ん、AKARIさんには恋人とかご主人とかは居ないのかい?」

「恋人?主人?それはどういう人ですか?」

「結婚が許されていないのか?男が女を好きになってはいけないような法律でもあるのかい?」

「男が女を好きになる事ですか?それはありますよ。女も男性を好きになりますから」

山口はもう自分が何を言っているのか、何が言いたいのか遠まわしではなくハッキリと言わなくてはいけないと思うようになっていた。

「だろう?そういうことだよ。好きになった同士でしか夜を二人で過ごしてはいけないんだよ。間違いが起こっても責任とれないからね」

「間違いとはどのような事を指すのですか?」

「わからない人だなあ~AKARIさんは。どのようなって言われても、そのう、なんだセックスをしてしまうかも知れないと言うことだよ」

「セックス?男と女がすることなんですか?」

「未来ではそういうことは禁じられているのかい?」

「禁じられていることは他人のプライベートに侵入することや、生命を脅かす事です。違法な行為に及んだものは逮捕され、罪が許されるのは被害者がその行為を許したときです。一生許さない事もあるし、直ぐに許すこともあります。山口さんが言われるセックスという行為は私たちの世界では行われていません」

「うん?行われていない?じゃあ家族はどうやって作っているんだい?」

「家族?父、母、兄弟という関係の事を言うのですか?」

「そうだよ。結婚して愛し合って子供を授かって家族が出来るんだ。人類は過去からずっとそうしてきた。とすると、AKARIは誰から生まれたんだ?」

「私は日本国が認定した生命を終えた一人の遺伝子を、AKARIと言う新しい名前の受精卵に組み込まれて誕生しました。産みの親というのはその遺伝子かも知れません」

「試験管ベイビーということか?AKARIには妊娠する機能が無いのか?」

「妊娠する?それはどういう事ですか?」