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てっしゅう
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SF小説「AKARI」 第四話

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「男性の精子と女性の卵子が受精して生命を誕生させる仕組みだよ。AKARIの身体の中に子宮という器官があるだろう?」

「子宮、それは退化した器官の事ですね。男性の睾丸も退化しています。全ての新しい生命は政府のコントロール下にあって、遺伝子操作によって誕生させています」

「男女は恋愛をしないということか?」

「そもそも男女の別は意味がないのです。しかし、世界統一の時代に人種とあわせて男女の別を残すことも決定されたと教えられています」

「なんということ…男も女も全く同じように生活しているという事なんだ。それで楽しみなんかあるのか?」

「当然なことです。楽しみというのは今回私が参加しているタイムトラベルの研究です。人類にとって時間を逆行することは夢でした。過去のあらゆる年代にそして場所に移動して旅行気分を味わうのです。意識だけの状態とはいえ、今回の成功は次のステップへの励みとなります。分かりますか?次のステップです」

「もういいよ。おれの頭では考え付かないから。それにこんな時間だから寝たいよ。泊まるのはいいけどその前にシャワー浴びてきたい」

山口はAKARIが話した未来の様子が真実であったら、絶対に今の生活の方が多少の問題をみんなが抱えていても幸せであると信じられた。

バスルームの前で服を脱いで扉を開けた。勢い良くシャワーのお湯が飛び出している。
次の瞬間信じられない事が起こる。
扉を開けてAKARIが入ってきたのだ。

「AKARI!ダメだ。おれが終わってから入ってこい」

「どうして?待っているのが嫌だから一緒に使わせて」

山口はこの女性は自分が知りうる女性とは全く違うという態度で付き合うしかないと言い聞かせた。

仕事も忙しく家庭のこともおろそかにしていた山口は、当然のように妻とも夜の生活はなかった。目の前でシャワーを浴びている三十代の女性の裸に反応しない訳はなかった。