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きんぎょ日和
きんぎょ日和
novelistID. 53646
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人それぞれだから、強制はしちゃいかん…かなぁ~。

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はとちゃん(仮名;今の母親)から再三、
“男はみんな浮気をするから、あなたの彼氏も絶対に浮気をするの。そしてあなたは捨てられるの!!捨てられるんだから、結婚なんていうことを言いなさんな。結局は捨てられるんだから。それにあなたも親の子なんだから、あなたも浮気は出来るの!!”
と言われ続けて来た。
だからといって、浮気や不倫をするわけでもなく、好きに生きている。
そんな私にはとちゃんは、
“あなたは人生損をしてる。二十代の時に、よく遊ばないでいられるね。それが本当に信じられない!!はとちゃんが二十代の時は、夜いっつも遊び回ってたのよ。毎日、楽しくて楽しくてしょうがなかったんだから。それなのにあなたは今の彼氏一人としか付き合ってなくて、世の中にはこんなに男がたくさんいるのに、よくそれで平気でいられるね。絶対、あなたは人生後悔する時が来るんだからね。覚悟してなさいよ。その時に、はとちゃんのせいだって言っても知らないからね。”
とも言っていた。
そんなことを言われる中で私が、
“結婚はみんなから祝福されてするものだと思ってるから…。”
と言おうとしたらはとちゃんの顔が般若のような顔に豹変して、
“な~に~が、祝福かぁ~!!そんなものあるわけな~いっ!!二度とそんなこと言いなさんな!!あなたが祝福されるわけないの~っ!!分かる?!はとちゃんはあなたのために言ってるの。分かる?!はとちゃんはあなたのことが心配だから言ってるのよ。ねぇ、こんなにはとちゃんが言ってるのに分からない?!少しははとちゃんの気持ちも分かって。”
とだんだんと親身な表情になって行ってそう言った。
どういう気持ちでそういうことを言っているのかが分からなかった。
私に幸せになって欲しいと思ってるのかそうはさせたくないのか…いろんな顔のはとちゃんがいるので分からなくなる。

また私は結婚の相談をはとちゃんにした。
すると今度は最初から親身な表情で、
“あなたまだそんなことを言ってるの?もっと現実を見なさい。あなただけよそんな理想ばかり言ってるのは。現実はそんなに甘くないの!!分かる?!もっと地に足を付けた物の言い方をしなさい。それが分かった時にはとちゃんに言いに来なさい。だから今の彼氏と結婚をしたいと思う間はこの話はもう聞きません。パパには絶対に結婚の話をしちゃダメだからね。先ずははとちゃんに言ってからよ!!分かった?!”
と言われて、結婚の“け”の字を言おうものなら、手であしらわれてそれでお終いとなるようになった。

しばらくして実家に帰った時に私が、
“男はみんな浮気をするんだよね?”
とはとちゃんに出だしを話しただけなのに、満面の笑みで食い込み気味で私に近付き、
“そうそうそう。なになになに?!あなたの彼氏が浮気したの?!”
と顔をアップにしてそう聞いてきた。
私は全然違う話だったからガクッと来て、
“いや、違う。浮気はしてない。”
と答えると、はとちゃんも拍子抜けした顔をして、
“なぁ~んだ。浮気してないの~。だったらそんな気を持たせる言い方しないでくれる!!そんな言い方は人に誤解を生むからね。そんな言い方は質(たち)が悪いよ!!気を付けないさいよ。てっきりあなたの彼氏が浮気したもんだと思ったじゃないの~。あーあ、期待して損した。”
と言われたので、それ以上私は何も言えなかった。
私の話なのに、相手の期待を考えて話さなきゃいけないのかと疑問に思った。
それはとても高度のいる話し方な気がする。

はとちゃんの考え方が分からないから、私は何度も、
“はとちゃんちの宗教の考えは分からない!!”
と言ってきた。
はとちゃんの家は大きな本堂を構える宗教の家だ。
そこの宗教には宗教の考えがあるのかもしれないけど、押し付けてはダメだと私は思う。
だから私は、
“宗教の考えは分からない!!”
と言っていた。
そう言うと必ずはとちゃんに、
“宗教は関係な~いっ!!”
と大きな声を出される。
でもその宗教をしている親に育てられたんだから、そこを否定するのは私は間違いだと思う。
私のパパと不倫出来て、いろんな男と遊びまくって、こんな幸せな人生を送れたのは親のおかげだってはとちゃんは言っても良いと私は思っている。
なのに一度もそういうことを聞いたことがない。
親に感謝の気持ちが出るのは良いことだと思う。
そこは謙虚にならずに前向きに言っても罰は当たらないと思う。
たまにはとちゃんの謙虚は違う時がある。
でも私ははとちゃんにそんなことを言ったことはない。
そんなことをすれば強制になってしまう気がする…。
感謝は人に言われたから出来るものでもないと思うから。
だからと言って私がパパに感謝出来るのかと尋ねられれば、それは出来ないと答える。
親に感謝出来たらなんと良いことだろうと思う。
もしかしたら私がまだまだ幼稚なのか世の中の厳しさを知らないのか…そんなことも分からない。
そんな中、ひねりひねり考えてようやく出た思いは、お母さんとこんなに仲良く出来ていることだ。
あっ、ということは、パパとはとちゃんに感謝だなぁ~…と思ってみたものの心から思えない…何故だ?!
結局は、パパとはとちゃんのしたことを自分がしない限り気持ちは分からないのかもしれない。
それは出来るまでのお預けなのだろう…。

いろんな人にはとちゃんから言われ続けていることを言っていた。
何故なら、私と彼氏がとても仲が良く見えるのにどうして結婚しないのか不思議でたまらない…ということをたくさんの人に言われていたから、その理由をその都度その都度言っていた。
はとちゃんと同じ考えの人も世の中にはたくさんいるだろうと思う私は、はとちゃんちの宗教の宣伝もしていた。
もちろん強制はしていない。
“そういう宗教の家ですよ~。”
くらいだった。
“よかったらどうですか?”
とは一度も言っていない。
もしはとちゃんと同じ考えで悩んでいるのだったら、こっちがすすめなくても自分からその宗教の信者になりたいとか話だけでも聞きたいとか言って来るだろうから、私からすすめることはなかった。
でもその宗教について聞いてくる人は今のところ一人もいない…。
私の宣伝の仕方が下手なのかもしれないと考えることもある。
私は勧誘や人に何かをすすめたりする仕事をしたことはないし、ちゃんと働いたことすらないので、余計に人に何かをすすめるのは下手なのかもしれない…。
こういうことも練習や経験が必要なんだと知った。
それか私に言わずに誰かは自分の足でその宗教へと一歩を踏み出した人もいるかもしれない。
その結果が私に届いてないだけかもしれない。
全て把握することも無理だと知った。
もし信者さんが私経由で一人でも増えているのなら、私ははとちゃんちに貢献したことになるのかなぁ~なんて思う。

十年くらい前にばあちゃんが死んで、そのお葬式の時だった。
遺族が休憩する場所で、私のいとこ(中学生)が、
“あいちゃん(仮名;私)、何で結婚しないの?!”
と聞いてきた。
なので私は素直に、
“彼氏が浮気しないの。だから結婚しちゃダメなんだって。”
と答えたら、何処にいたのか何処からかはとちゃんが凄い勢いで私たちの所へ走ってきて、いきなり大きな声で、