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てっしゅう
てっしゅう
novelistID. 29231
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「夕美」 第三話

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次の日の朝を迎えた。
大森家では朝食は揃って食べる決まりになっていた。
父親はその時に簡単に息子隆一郎の学校のことや、妻由美子の容態などを聞いていた。

平成二年の年も終わろうとしていた。
その暮れのある日、由美子の言いつけで買い物に出掛けた夕美は、見てはならないものを見つけてしまう。
初めて大森の家に来た時に買い物したスーパーへ近づいた時に、店の前の道路にパトカーが停まっていて、ランプが点滅していた。
中から一人の若い男性が警官に連れられてパトカーに乗せられようとしていた。
恐る恐るじっと見つめる夕美の目は信じられない姿を晒している隆一郎に釘付けとなった。

逮捕されているのは隆一郎その人だったからだ。
パトカーが去って人通りが無くなった時に、一人の女性が呟くように周りに居た数人に話しかけた。

「恐いわね~さっきの高校生。お店の人に暴力を振るったんですって・・・怪我されたみたいよ。本当に親の顔が見たいわね。どんな教育してるのか困ったものだわ」

買い物を直ぐに済ませて夕美は走って家に戻った。
警察が来ている様子はなかったが、周りを何度もチラ見して玄関を開けて入った。
母親の由美子が電話器を持っておどおどしている様子が窺えた。
夕美の顔を見ると直ぐに、留守番を言いつけられて、自分か夫からの電話があるまで、誰に聞かれても自分たちは居ないと言うように返事して欲しいと頼まれた。
作品名:「夕美」 第三話 作家名:てっしゅう