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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「夕美」 第三話

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学校から帰ってきて食事のあと片づけを済ませて、居間で俊之が帰ってくるまで時間を夕美は過ごしていた。
零時を回ってすぐに玄関のチャイムが鳴った。走って駆け付け、膝をついてお帰りなさいをして、カバンを渡された。

「お帰りなさいませ。どうなされますか?」

「ああ、起きていたのか。こんな時間なんだから寝ててもいいんだぞ。明日の支度もあるんだからな。今日はお願いするとしようか・・・私の部屋のサイドボードからスコッチ、ウイスキーだぞ、持ってきてくれないか」

「はい、わかりました。ウイスキーですね」

そういうと部屋に入り封が開いていたボトルを手にして戻ってきた。

「こちらでよろしかったですか?」

「うん、そうだ。よくわかったな」

「はい、封が開いていましたのでこれだと思いました」

「そう考えられることは躾がいいんだな夕美は。あとは自分でするからもう寝なさい」

「ありがとうございます。お風呂使わせていただいてもよろしいでしょうか?」

「まだなのか?すぐに入って寝なさい。私は入らないから、火は消しておいてくれ」

「はい、かしこまりました」

夕美は頭を下げて、自分の部屋からパジャマを持ってきて、風呂場へと向かった。
自分が出てきたときに俊之がまだ居間でお酒を飲んでるとパジャマ姿を見られるので嫌だなあと考えつつ、その時は素早く二階へ上がってしまおうと考えていた。
夕美の心配は当たらずにすでに俊之は自分の部屋に入っていて、居間には誰もいなかった。
作品名:「夕美」 第三話 作家名:てっしゅう