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てっしゅう
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SF小説「AKARI」 第三話

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ハッとしてAKARIは自分の出すぎた言動に気付いた。
2015年といえばすでに984年も過去の時代なのだ。知識のレベルは博士と子供ぐらいの差があるだろう。
タイヤを転がして地上を走っていることなど、AKARIには博物館でしか見た事がなかった。

そして加古という女性の体もなにやら欠陥があるように感じられる。
AKARIの時代から見ると大量の食料と水分を吸収させないと生命が維持できないこと、同時に頻度の高い排泄も苦痛と感じていた。

何より大型の体型は俊敏性を欠き、照りつける太陽の光は汗と汚れを肉体にもたらしたから、シャワーを浴びるという行為を日常化させていた。

それに女性と男性の区別がはっきりとしていることも大きな違和感であった。

歴史資料館へ着いた山口は加古を案内して、自分たちが明日よりスタートさせるプログラムの説明を始めた。
何人か居る同僚達に「大丈夫ですか?」と持ちかけられ、そのたびに「大丈夫です」と頭を下げるAKARIの姿があった。

タイムトラベルのプログラムを操作するパネルの前に山口は加古を案内して、分厚いマニュアルを取り出し、ゆっくりと説明を始めた。

「先ず、このシステムは映像による世界中の歴史を太古の時代から紹介してゆくプログラムがセットされている。この操作パネルにある10個のスイッチは各々の時代の映像に切り替えるものだ。システムは立ち上げた時から自動的にジュラ紀から始まり、この街の近年の歩みで終わるようにセットされている。
ここまでは解かるかい?」