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てっしゅう
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SF小説「AKARI」 第三話

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病院からの帰り道、山口はAKARIをアパートまで送る途中、レストランに誘った。

「加古さん、お腹が空いたでしょう?何か食べましょう」

「はい、そうですね。体が求めているようです」

「おかしな表現だね。前からそんなふうに話をする人だったかなあ?でも、どこも悪くなくてよかった。明日はオープンだから君が居てくれるというだけでとても安心できるよ」

「私はどのような仕事を任されているのですか?」

「えっ!忘れたの?」

「はい、倒れた以前の事は何も記憶がありません」

「それは困ったねえ。う~ん、どうするかなあ。施設のプログラムは一日で覚えられる量ではないから、これから説明するとしても間に合わない。代わりの人を採用するのも無理だから何とか一人で頑張るしかないか・・・」

山口は不安な気持を覚えていた。しかし、これも現実であるから自分が全てを取り仕切ることを上司に伝えようと決心をした。AKARIは山口の顔を見て驚かせるような言葉を発した。

「山口さん、そのプログラムというものを教えていただけませんか?今から施設に行って覚えれば間に合うかもしれませんから」

「加古さん、本当にそんな事を思っているんですか?
マニュアルはA4で100ページを超えているんですよ。私も一ヶ月かかって覚えたのですから、絶対に無理ですよ。気を遣ってくれて感謝はするけど」

「物事はやってみないと分かりません。諦める事は簡単ですが、最後までやり通す事が大切だと教わりました」

「そうですか、なんだか前の加古さんとは別人のような気がしてきましたが、失った記憶と何かが入れ替わったとしか思えないよ」