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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「夕美」 第二話

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幹線道路から上ってくる脇道を登りきると繁華街が見えてくる。八事(やごと)と呼ばれるところだ。地下鉄の駅も出来ていて名古屋中心部へ十数分で通える。
夕美はこの日買い物を済ませると由美子に頼まれた生理用品を買うために交差点の角にある地元スーパーに入った。
指定されたメーカーの製品を買ってレジに並ぶ。前に並んでいた高校生が振り向いて声を掛けてきた。

「ねえ?学校はどこ?」

「・・・」

黙っていた。

「答えてよ。変なこと考えてなんかいないから。ボクはこの制服見れば解るだろう?」

「・・・」

「真面目なんだなあ。いいよ、また会うかも知れないけどその時は答えてね」

会計が済んで追いかけてこないかと心配しながら振り向き振り向きしながら早足で家に戻った。
買ってきたものを由美子に渡して学校に出かけるまでの時間で夕飯の支度を終われるように準備に取り掛かった。

母親が臥せり気味だったのであまり料理をしていた形跡が無かったため薄汚れていた流し台からまずは綺麗に掃除をした。
立派な包丁も錆が出ていて砥石で磨いた。
ようやく野菜を切り始めたその時に玄関から息子の隆一郎の声がした。
作品名:「夕美」 第二話 作家名:てっしゅう