小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

慟哭の箱 1

INDEX|19ページ/19ページ|

前のページ
 


マンションに帰り着くと、11時を回っていた。もう寝よう、と鍵を開ける。暗い玄関に立ち、清瀬はひとの気配を感じた。

「・・・須賀くん?」

旭か?真っ暗な廊下に、確かに誰か立っている。その影が動いたかと思うと、身体に衝撃が走った。

「!」

首を締め上げられ、壁に押し付けられた。苦しい。瞬時に頭に浮かんだのは、旭を殺し損ねた誰かの襲撃だった。

「ぐっ・・・」

強い力で締め上げてくる。酸素を求めて喘ぐ清瀬の耳に、地獄から轟くような低い声が囁かれた。


「おまえは あさひの てきか」


誰だ。尋ねようにも声が出ない。

「おまえは旭の敵か」

繰り返す声とともに、締め上げてくる力が強くなる。

「覚えておけよ。敵ならば容赦はしない」

気が遠くなる。犯人かもしれない。旭は無事か。思考が闇に、ばらばらにとけていく。清瀬はその場に崩れ落ち、それきり意識を失った。








.
作品名:慟哭の箱 1 作家名:ひなた眞白