香辛料と豆乳を
音楽
音楽を聴くと、様々な記憶がよみがえる。五感をフルに呼び起される感覚がするのだ。たとえば、Aqua Timezの「決意の朝に」を聴くと、中学時代に所属していた、運動部の夏合宿の帰り道を思い出す。
特別、Aqua Timezが好きなわけではない。それでも聴いてみると、ふと思い出すのだ。「入道雲と青空」、「お隣の家に咲いている、向日葵の花」、「筋肉痛と真夏の暑さで満身創痍になった身体」、「セミの鳴き声」を。
あれから、8年経った。今、聴いている音楽も8年も経てば、懐かしいと感じるのだろう。五感で過去の記憶を味わうのだろう。そして、時の速さに驚いたり、切なさもかみしめるのだと思う。今、聴いているアーバンギャルドも8年後も、元気で鬱くしく活動しているのだろうか。椎名林檎とYUKIは8年後もティーンエイジャーの女の子達のハートをつかみ続けているだろうか。未来はどこでどうなるか分からない。しかし、8年後の私は30歳になるという事だけは理解できている事実だ。過去の音楽の記憶を大事にしながら、今、好きな音楽を愛そうと思うのだ。
作品名:香辛料と豆乳を 作家名:キャシー・サチエ―ル